中原エリアに住む・働く・生きる魅力的な人たちをインタビュー。がんばる誰かの日常が、誰かの背中をそっと押すような、そんなきらめく人たちをご紹介します。

「子どもの力は無限大」。チアで地域を明るく照らす指導者【小田 香】

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練習開始が近づく、土曜の午後の昼下がり。送迎の父兄から離れた生徒たちの顔つきは、ある種の純粋な闘志に満たされていきます…。川崎市の幸区、中原区を拠点に活動しているチアリーディングチーム『川崎キッズチアリーディングクラブ Bambies(バンビーズ)』は、チアの世界大会である「ザ・サミット」で2015年世界チャンピオンに輝く実力派。今回は、子どもたちにチアを教える小田 香コーチにお話をうかがいました。

小田 香 おだ2川崎市幸区南幸町生まれ。チアリーディングは高校時代にスタートし、全国大会優勝などの実績を持つ。社会人チームでも活動を続け、その後指導者へ。高校生、大学生の指導にあたっていたなか、母校である下平間小学校で演技を披露した際に得た子どもたちからの熱い要望に応える形で2003年『バンビーズ』を発足。現在は活動の拠点を幸区・中原区に据え、チアをとおした地域交流などにも熱心に取り組む。2015年、フロリダで開催され『ザ・サミット』に初出場ながら優勝に導く。

 

 

大人相手のように指導することで、子どもが持つ本来の「負けん気」が発露する

バンビーズは現在、ブルーチーム、ピンクチーム、スマイルチーム、リトルチームといった4つの編成で活動しています。リトルチームは未就学児が対象で、スマイルチームはチアの基礎技術を学びつつ楽しむチーム。さらにその基礎技術を発展させ、演技を楽しむことを目指すピンクチームに、スタンツ(組体操のようなパフォーマンス)の展開を楽しみ、表現力を学び魅力的な演技を目指すのがブルーチームです。「年齢別ですか?」と聞かれることが多いのですが、基本的にはそうではありません。トライアウトの機会を設けていて、テストをクリアした生徒は実力に応じたチームへステップアップすることができます。現在も、先輩に交じって、そうした実力で勝ち取ってブルーチームにいる子などもいますよ。

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体育館に響く、生徒たちの元気いっぱいの声

練習は厳しいと思います。肉体面の地道な鍛錬と、内面指導のうえでも子ども扱いをしないことを大切にしています。理由として、バンビーズの生徒たちは体の発達時期にあるので、大人以上に敏感に体へ響きやすい。そこで、生徒たちの安全を守るためにコーチの人数も5名に増やして、非常にきめ細かく、目端の行き届いた指導体制を構築しています。それなので、練習の最初にかなりの時間をかけて行う筋トレも、けがをしにくいように体のコアを鍛えて体幹に働きかけるメニュー構成を組んでいます。

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小さくても真剣そのもの。甘えることなく着実な練習をする姿にびっくり

さっきもリトルチームでべそをかいていた子がいますけど、そういう子にも「じゃあいいよ。すみで休んでいよう」などは言いません。「どうする、やるの?」と問い続けると泣きながらも本人は「やる」と言う。じゃあそれを尊重しよう。それだけです。結果的に、ああやっていつしか泣くことも止めて練習に集中していくんです。私たちは常に大人に接するように子どもにも相対しています。「ここまではできるのでは?」という少しだけ高めのハードルを提示してあげると、子どもは大人扱いされることで負けん気を発揮するようになります。そして実際に達成してしまう。本当に子どもの可能性は未知数、まさに無限大だなと胸を動かされる瞬間です。

 

世界を勝ち取った「日本人らしさの表現」 。子どもたちに芽生えた「世界」を目指す気持ち

2015年5月にアメリカ、フロリダ州のオーランドで開催された世界的なチアの大会、「ザ・サミット」に日本代表として初めて出場することができました。そこで日本チームの魅力を確実に表現し伝えることができ、優勝を果たしました。アメリカと言えばチアの本場。そんな環境で私たちのチームが優勝できたのは、まさに日本人らしい美徳を演技で伝えることができたからだと思います。

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こちらは能動的にテキパキとハードな練習を進めるブルーチーム。驚異的な跳躍

たとえば、「静」と「動」のメリハリある落ち着いた演技。ビシっと合わせるべきところなどは、満点に近い評価をいただきました。演技をそろえる「質」において高い評価を得たのは、日ごろの練習の成果が存分に発揮できたということで、バンビーズらしさが昇華されたと感じています。そして、世界チャンピオンになったことで、子どもたちは「また世界一になりたい」と考えています。私たち指導者としては、「ならばまた連れていってあげたい」と思うばかりです。その夢に向けて、今はまたコツコツと日々の練習に励む毎日ですね。

 

チアで場を明るく照らす!「元気・勇気・笑顔」の演技が地域交流で花開く

チアをとおした地域交流も、バンビーズの大切な活動内容の一つです。「元気・勇気・笑顔」が私たちのスローガンなのですが、地元のさまざまなイベントで演技を披露すると、ご年配の方々から「元気をもらえる」とのお言葉をいただくことがあります。

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演技をすることでその場がぱっと明るくなる!とも言われたりすると、本当にうれしく思います。子どもたちにはチアリーディングの楽しさを通じていろんな変化があるようで、親御さんから「内気な子だったのに、学校での発言が増えた」、「いつの間にかリーダー的存在になっていた」などのお声を聴くようになりました。

練習は一人ひとりの努力や真摯な姿勢といった個人的な取り組み方だけでなく、動きをそろえたり協力し合う必要性など、他者との関わり合い方も育ててくれます。バンビーズは小さい子から中学生まで、心の変わり目期に向き合う世代が多いので「難しいな」と感じることも多々あります。でも、「スポーツをやっていると気持ちが曲がらない」と信じていて、まっすぐ育っているな、という実感をいつも持っています。

 

 

川崎キッズチアリーディングクラブ Bambies(バンビーズ)
2003年2月創部。年数回競技大会に出場。川崎市幸区、中原区を拠点に活動。
練習日:土曜日 ※日曜日に練習が入る場合あり。
URL : http://kkcbambies.web.fc2.com/index.html

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