武蔵新城のFacebookグループ、その名も「ふらっと武蔵新城」は優に2,300名を越し、アクティブなグループコミュニケーションが日々活発に行われています。デジタルなのにかくも人の情けを感じられるのは、そこに集う人たちのやさしさや情熱だったりします。今回は「ふらっと武蔵新城」が生んだソーシャル・タレントと呼ぶにふさわしい、石井 道夫さんとたかむらひでこさんをお招きしお話をうかがいました。
いいものは教えてあげたくなる。素直な衝動が第三者を動かす
編集部:こんにちは。今日は私の憧れのお二人にお越しいただき、この組み合わせでお話を伺えるなんてとてもうれしく興奮しています。今でこそ石井さん、たかむらさんのぴったり息の合ったやり取りは定番となっていますが、そもそもの出逢いはどんなものだったのでしょうか。
石井 道夫さん(以下、石井) :最初は私がたかむらさんのお店に、客として訪ねたんですよ。それこそ「ふらっと武蔵新城」でお店を知ったんです。このグループがなかったらたかむらさんのお店を知るのにもっと時間がかかったかもしれないですよね。でも、行ってみたらコメントどおりのお人柄でびっくりしたな (笑) 。
たかむら ひでこさん(以下、たかむら):そう!そのまんまだから、私 (笑) 。
編集部:そうだったのですね。石井さんはいつもそうやってご自身で情報収集してお店に行かれるのですか?
石井 道夫(いしいみちお) 大手ファミリーレストラン店長を経て家業であるパチンコホール経営に携わる。1999年より代表取締役社長。チェーン店にはマネできないこだわりのパチンコ・スロット店を作るべく奮闘中。 趣味はバスケットボール、話題の飲食店めぐり。
石井:ええ、以前、飲食業に携わっていたこともあって飲食店の応援もしたいと思っていますし、何よりそれまで知らなかったお店を発見していくこと、そして気に入ればそれを、まだ知らぬ誰かに教えてあげたい!という思いがあるんです。
たかむら:石井さんの投稿は「わ、行ってみたい!」と思わせるのが本当に上手!ただメニューを紹介するだけではなくて、飲食店側の目線に立っているのがやっぱりスゴイところ。やっぱりメニュー一つ紹介するのにも、何かがちょっと違うなと感じさせる。
編集部:わかります。私が特にありがたく思っているのは、お店までの道順を書いてくださること。「行ってみよう」という気になりやすいですよね。
石井:ありがとうございます。それはうれしい感想ですね。いつも「どう表現したら足を運んでもらえるか?」を考えて投稿内容をマネジメントしているので。自分自身が新たな店舗の新たな魅力を開拓していくのが楽しいからできることですよね。もともとブログが世に出たばかりのときからやり始めて、ほとんど毎日発信してきました。その経過のなかで「どうしたらもっと人に伝わるのか?」という模索を自分のなかで繰り返してきたんです。だから私のなかで“伝わるやり取り”というのは意識していることの一つ。興味を持っても人ってなかなか行動を移さないものなので、そこを実際にアクションに結び付けられやすいという意味でSNSは有効だなと感じていますね。
たかむら:うんうん、わかるなぁ。私も「いいもの」は教えてあげたい。さらに言えば、知らないものも知りたいじゃない?両方が「ふらっと武蔵新城」は叶えられちゃうんだよね。
とにかく仲良し!なお二人の笑顔がこぼれます
ソーシャルメディアで生まれたつながり、絆の物語たち
編集部:たかむらさんのフレンドリーな魅力が一気に新城のまちに開放されて、一躍「ちょっぴり」さんは有名店になりました。お二人にとって「ふらっと武蔵新城」で起きた記憶に残る思い出を教えてください。
たかむら:えー、なんだろう。うちはね、「お客さんが食べたいパン」をつくっているの。実際につくって買いに来てくれた人がFBに投稿すると、それを見た別の人が来てくれるんだけど、そのつながりに感動してしまう。お店に偶然居合わせたお客さん同士が仲良くなって、また新しいパンをつくってというのが本当に楽しいの。よし、これからもどこにもないパンをつくっていくぞ!という私の大きなやりがいにつながっているの。
石井:だって下手するとパンを買わないでたかむらさんに会いにきておしゃべりしていく人だとか、パン屋に別のパン屋の品物をお土産に買ってくる人とかもいますもんね(笑)。
たかむら:そうなの。私パンが大好きなんだけど、営業中は買いに行けないじゃない?そうするとお客さんが買ってきてくれるのよ!
石井:思い出といったらいくつもあるんですが、上書き更新されていくものなのでやっぱりここは「1000 bero」を挙げたいですね。この試みこそ「ふらっと武蔵新城」がなければ実現できなかったこと。しかも驚くべきスピードで決まって、仕組みが突然できあがった。つまずきがなく、とてもハッピーに進んだんですよね。別の商店街をまたいでそれぞれがフォローアップしていくという、実に画期的で既成概念を越えたイベントだと思います。
編集部:なるほど。つながりを活かして個性的で画期的なイベントがスムーズに生まれゆく武蔵新城とは、お二人にとってどんなまちなのでしょうか。
石井:私は住まいは都内なので、武蔵新城は仕事をするところ。そういう意味で客観的な視点で眺めることができると思います。新城って、「シンジョーマジック」みたいものがありまして(笑)。住みやすいんでしょうね、一度住んだらなかなか外に出なくなる。この辺りでぐるぐるまわっている人が多い印象です。うちのスタッフもなかなか外に出ません。それは一方では居心地が良いあまりサービスの質を上げる努力をしなくなるという弊害があるので、成長しなくなってしまうという面もあります。なのでその点はマネジメントにおいても重視している点です。
たかむら:ムサシ(石井さんの経営するお店)のスタッフさんたちが、沿道をよくお掃除してくれているのを見るよ。ああいう姿を見ているから、家族みたいな感じで見守ってしまうね。それに、家族全員がムサシのお客!っていうケースも多いでしょう。
石井さんのお話にじっくり耳を傾けるたかむらさん
新城はね、生まれたまちなんだけど結婚して一度出たの。店舗物件があってそこを父はラーメン屋にしたいという思いがあったの。でも旦那が「やらない」って(笑)。最初はバイクのガレージにしていたんだけど、最終的にそこが「ちょっぴり」になって。改めて住みやすい場所だなと感じるし、一度逢えば挨拶が交わせて仲良くなれる。ホント家族みたいでしょ。私、人のお店に入る時も「ただいま」といって入ってしまうの。自分を受け入れてくれるお店があるってとてもうれしい。
「体験価値を活かせる方法を模索していきたい(石井)」。「自慢してくれる店にしたい(たかむら)」
編集部:視点がそれぞれ異なるお二人だからこその「新城観」ですね。面白い!では最後に、「ふらっと武蔵新城」における、これからのお二人の夢があればお聞かせください。
石井:夢ですか?うーん…。改めて考えてみると、「ふらっと武蔵新城」の成り行きというのに「なるほど」と思わされる発見が日々あって、それが毎日続いているんです。そして、それにハマっています。というのが、私の信条と合致するところがあると思っていて。人はどんな人でもコミュニティに所属していますよね。家族とか会社とか、大きくなれば社会とかになるわけですけれど、所属するからには豊かに幸せになってほしいと思っていて、それで自分も幸せになれる。そういう信条に合っているんです。「知る」だけで「きっかけ」になる。そこをつなげるだけだから、自分が「つなぐ」ことで共創になりますよね。
今後トライしていきたいのは「1000 bero」をきっかけに、これをもっと育てていきたいと思っています。こうした活動は、ダイレクトに狙っていなくても最終的に本業にも役立っていっています。新城の辺りでも、パチンコをやる人は減ってきており、そうした背景のなかで商品や宣伝も質を向上しないとしぼんでいく一方。だからこそ地域との連携やコラボレーションが大事になっていきます。うちでも景品や屋台サービスなどに自社だけでなく商店とのコラボレーションをしたりしていますが、相乗効果を感じられる取り組みですね。そうやって体験価値を活かせる方法をこれからも模索していきたいと思っています。
編集部:確かに自然と石井さんのお店のボックスティッシュをフレームインさせる投稿トレンドがFBでも起きていますね。たかむらさんはいかがでしょうか。
たかむら:とにかく「自慢できるパン屋」になりたかったんです。うちの母や嫁が自慢に思ってくれるように。だから「ふらっと武蔵新城」のおかげで、みんなが「ちょっぴり」に行ったって自慢してくれたらそれが一番うれしいかな。あと、新城には素敵なパン屋が多いから、「パン同盟」みたいなものもつくりたいなぁ。
編集部:「パン同盟」、個人的に楽しみです。石井さん、たかむらさん、本日は楽しいお話をありがとうございました!もっとまちが好きになりますね。
石井さん 「 “ふらっと武蔵新城” をきっかけにしてほしい」。 たかむらさん「全国に知らせて有名にしたいな」。
ムサシホール http://www.p-world.co.jp/kanagawa/musashihall.htm
小さなパン屋 ちょっぴり Facebookページ
「ふらっと武蔵新城」 Facebookグループページ
ふらっと1000 bero in 武蔵新城 公式Webサイト http://shinjo.machina-college.org/1000BERO/index.html