エリアの老舗や歴史的なものを訪ねたり、新しい建造物や取り組みなどをご紹介。キーワードは「もっと中原が好きになる!」。

県下有数の活況に沸く商店街、「モトスミ・ブレーメン通り商店街」を探求!

元住吉駅の西口駅前から始まるモトスミ・ブレーメン通り商店街は、独自の試みを多数仕掛けて成功するなど活気にあふれた先進性が魅力。
『ブレーメンの音楽隊』 像の先を進み駅前アーチをくぐると、ヨーロッパの伝統ある街並みをイメージしたテーマカラーのもと、約 170 もの店舗が全長 550 メートルに渡り軒を連ねています。 1990 年に今の名称へと変更して以来、意欲的な数々の取り組みを行い県下有数の商店街へと成長しました。

活況を呈し、 2015 年には 「第 3 回かながわ商店街大賞」 を受賞、 2016 年には中小企業庁の 「はばたく商店街30選」 を受賞するなど、注目の集まるブレーメン通り商店街の魅力について調べてみました。

 

地域に住まう多世代が利用する、商店街の顔 「コミュニティセンター」

モトスミ・ブレーメン通り商店街を駅から歩いていくと右手に現れる音楽隊像が、コミュニティセンターの目印です。商店街のほぼ中心に位置しているセンターは 2011 年にリニューアルされ、親しみやすくオープンな空間になりました。商店街の情報発信拠点として、交流の場として、多くの方々に利用されています。

簡単なイベントもできる奥行きがあり、壁にはロイドパサージュから送られたポスターが
簡単なイベントもできる奥行きがあり、壁にはロイドパサージュから送られたポスターが

ドイツの木組みの家をイメージしてつくられたインフォメーションコーナーには、コンシェルジュが常駐し商店街の知りたい情報を案内してくれます。ここでは、商店街独自の IC ポイントカード 「 IC ブレカ」 の入会受付や問い合わせにも対応しています。

多機能デジタルサイネージを導入、広く受け入れられています
多機能デジタルサイネージを導入、広く受け入れられています
「コミュニティセンター」 の名前どおり、地域の交流の場ともなっているセンターには、お年寄りから子どもまで立ち寄りやすい工夫が満載。内部は展示スペースにもなっていて、地域・観光情報のパンフレットが置かれていたり、地域の方々の作品展示なども行われています。子どもが喜ぶおもちゃや座りやすい木製のベンチを用意したお休み処は、お買い物途中の休憩にも最適です。多目的トイレも用意されており、車椅子の方やお年寄り、おむつ替えの必要な赤ちゃんまで、どなたでも安心して利用できます。授乳室も完備とあって、実に多世代型コミュニティセンターとして機能しているのです。

さらに必見なのが、お得な商店街情報を入手することができる情報端末 “デジタルサイネージ” の設置。この端末はお得情報の案内だけではなく、 3 種類のゲームが入っていたり、 75 歳以上の IC ブレカ会員に健康ポイントを毎日プレゼントするなどの機能性がふんだんに採用されています。また、サマー&ウィンターセール時には抽選機としても活躍しており、デジタル化が進んでいることに驚かされます。

 

グリム童話 「ブレーメンの音楽隊」 を由来に、中世ヨーロッパのロマンを表現した商店街

駅前広場にある像とは異なるおちゃめな味わいの像
駅前広場にある像とは異なるおちゃめな味わいの像
「モトスミ・ブレーメン通り商店街」 はもともとは 「元住吉西口商店街」 というごく普通の名称でしたが、 1985 年に “中世ヨーロッパのロマンと語らい” というコンセプトでモール化事業を開始。そこで、商店街の名称もヨーロッパの雰囲気を感じさせるものを、と 「ブレーメンの音楽隊」 を由来とする現在の名称となったのです。

ドイツにあるブレーメン市から名称の使用許可も得て、ブレーメン市の旧市街にできた商店街・ロイドパサージュとも友好提携を結びました。以来、 20 年以上に渡りブレーメン市と友好的なお付き合いが続いています。コミュニティセンターの前に設置してある “ブレーメンの音楽隊像” も、商店街の 10 周年記念にブレーメン市とロイドパサージュから寄贈されたもの。ちなみに、駅前にある音楽隊像は、北海道の帯広にあった 「グリュック王国」 というテーマパークから譲り受けたものだそう。

 

画期的な独自ICカードで商店街の共通ポイントを蓄積。 1 ポイント 1 円から利用可能でその他機能も充実

商店街共通のポイントカードシステム 「 IC ブレカ」 は特に画期的な施策で、今年受賞した 「はばたく商店街 30 選」 も本取り組みが評価されたもの。 2006 年に開始したこのシステムを 2015 年にリニューアルし、現在では IC チップを搭載した非接触形式になりました。約 70 店のお店で利用でき、 100 円の買い物で 1 ポイント貯まるうえ、どの加盟店でも 1 ポイント 1 円として買い物に利用することが可能。 2016 年 2 月末現在で約 21,000 枚発行されています。

カード形式だけでなく、 IC チップを内蔵したブレカストラップも用意されており、携帯電話やキーケースに付けたりして使用することができます。カード本体は親が持ち、ストラップを子どもが持ってポイントを共通利用するなどといった使い方も可能だそう。

IC ブレカカードとブレカストラップ。家族で共有も可能です
IC ブレカカードとブレカストラップ。家族で共有も可能です

 

ブレーメン・ブランドのオリジナル商品も展開。本場ドイツの醸造方法に従って作られたビールも大好評!

本商店街では、オリジナルのブレーメン・ブランド商品の販売も行っています。人気のアイテムは、ブレーメン市で販売されているエコバッグを輸入して裏に商店街のロゴを印刷した、オリジナル・エコバッグ。このエコバッグは、日本ではあまりエコバッグの概念が浸透していなかった 1995 年から販売開始するなど、ここでも一歩先んじる姿勢がうかがえます。

本場ドイツのビール純粋令 (※) に基づいて醸造されたオリジナルビール 「ブレーメンビア」 も販売中。これは福島の地ビールメーカー 「猪苗代地ビール館」 で醸造したビールで、ピルスナー、ゴールデンエンジェル、ラオホの 3 種展開しています。商店街のイベント 「フライマルクト」 などでも販売しており、ビールの他には、ドイツのアドルフ・ヒュースゲン社に生産を依頼した白ワイン 「ブレーメンワイン」 も人気だそう。他にも、音楽隊のイラストの入ったエコクロスやメガネふき、文房具も販売されています。

(※ 「ビール純粋令」 は 1516 年にバイエルン侯ヴィルヘルム 4 世が定めた 「ビールは 『大麦』 と 『ホップ』 と 『水』 の 3 つの原料以外を使用してはならない」 という主旨のもの)

 

商店街にオリジナリティを添えるために始まったドイツとの関係が、今では地域に根づきブランディングに成功

毎年恒例のイベントはもはや商店街界隈の住民から愛着を持って受け入れられており、なかでもとりわけ有名なのは、毎年 10 月に行われる 「フライマルクト」 です。これはドイツのブレーメン市で 1000 年近く続いている名物イベント 「フライマルクト」 をモトスミ流にアレンジしたもの。毎年 10 万人が参加する一大イベントに成長しました。地元の方達が出演するコンサートや、大道芸やちびっ子遊園地、大人にうれしいビール販売や福祉コーナーなど、企画ももりだくさん。さらに、毎年 10 月末の 「モトスミ・ハロウィン」 や 12 月 23 日に行われる 「クリスマスイベント」 なども町の風物詩として定着し愛されています。

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ブレーメン・ブラスアンサンブルによるクリスマスコンサート

“ブレーメンの音楽隊” をテーマとするこの商店街は、オリジナルの音楽隊までつくってしまいました。なんと、商店街の理事長をバンマスとした 「ブレーメン・バンド」 というビッグバンドを結成、各種イベントなどで演奏活動を行い、地元の方々から支持されているのです。前述の 「フライマルクト」 やブレーメン・ブラスアンサンブルによる 「クリスマスイベント」 など、商店街の催しに華を添えています。 2011 年にはドイツ・ブレーメン市のロイドパサージュや福島県郡山市での演奏会を行うなど、音楽を通じての交流も行っています。

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